執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)
皆さんは「青汁」と聞いてどんなイメージを持ちますか?
「苦い」、「まずい」、「青くさい」とイメージをする人が多いのではないでしょうか。
そんな青汁ですが、実は市場規模が10年連続で拡大しています。
健康産業新聞によると、2017年の青汁製品(グリーンスムージー含む)の市場規模は1082億円。青汁とはいっても、乳酸菌入りの青汁、グリーンスムージー、フルーツ青汁などのヒットが市場を牽引しているそうです。
確かに、「グリーンスムージー」や「フルーツ青汁」と言われると、コンビニなどでもよく見かけるし、たまに飲むこともありませんか。
かつて90年代のTVCM(悪役商会の俳優、八名信夫さんが出演)で流れていた「まずい!もう一杯!!」の印象が残っている人にとっては、「まさか、あの青汁が、そんなに成長しているとは!?」と思うかもしれません。
青汁は90年代のTVCMの影響があったころは、「野菜不足を補う」健康食品商材として、中高年層を中心としたヘビーユーザーに定着していました。それが、20~30代女性や子供へと需要のすそ野が広がっていきました。
「まずい!もう一杯!!」のCMキャッチコピーで知名度を上げた会社がキューサイ(福岡市)ですが、現在は「はちみつ青汁」が主力となっているとのこと。また、キューサイの原料を使用したコカ・コーラシステムの飲料「ミニッツメイドおいしいフルーツ青汁」は、女性の多い職場などにある自販機に導入されて堅調に推移しているそうです。
「まずい!」から「おいしい!」変わったことで、飲用層・飲用頻度・飲用機会が広がり、市場が拡大したというわけです。
もしかすると、青汁以外にも、これまで「まずい」と思っていたものが「おいしい」に代わることで市場が一気に広がる商材があるかもしれません。
ちょっとした事業機会の発見になる可能性がありそうですね。
出所:
テレ朝news ※最終アクセス 2018年5月9日
http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000123891.html
健康産業新聞 ※最終アクセス 2018年5月9日
http://www.kenko-media.com/health_idst/archives/4812
執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)
ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。
現在、フューチャリズム株式会社 代表取締役社長。
<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)